2013-03-01
祖母から聞いた話
明治生まれの私の祖母は神職の奥さんですが、紺屋の仕事もしていたので,切り盛りにそれは大変でした。それでも、人のためには、自分のことより、至極早急に行動していました。
ある時女中が竈の前で、乞食が赤ん坊を産んだ話をしているのを聞いた祖母は早速に、女中を連れて産着を持って、葦とすすきをかき分けながら、乞食の掘立小屋を訪ねました。
小屋の中から、笑声が聞こえます。そっと覗いてみると、夫婦は赤ちゃんを産湯に入れていました。何と土を掘って、そこに、油紙を敷いて水を入れ、水で産湯をつかわせていたのです。お祖母ちゃんは驚いて
「お湯を持ってこようか」と言うと、父親が
「この子は産湯は水だと思えばよいのであって、別に、お湯でなくてもよい」と言ったそうです。
もちろんその子は逞しく育ったそうです。
今は日本には物乞いをする乞食はいなくなりました。政府が収入のない人に、十分生活できるほどの生活保護金を与えるからでしょう。そのために、人は過保護にされ、自分の力で生きる知恵を失って、ひ弱になっているのではと思います。少々のことでは挫けない強い精神力を培って、自分の力で逞しく生きることが、幸せだとだと思うのですが。
H25.3.1 河合
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